「体が小さくて、当たり負けしてしまう」「同学年の子より小柄で心配」——少年サッカーの保護者からよく聞く悩みです。たしかに体の大きさが有利に働く場面はあります。けれど、体格だけでサッカーの上手さや将来が決まるわけではありません。小学生年代(U-12)は成長のスピードに大きな差があり、今の体格差が数年後にどうなるかは誰にもわかりません。ここでは、体が小さい子が伸ばせる武器と、比べすぎないための考え方を整理します。「小さいから必ず活躍できる」とも「不利だから難しい」とも言い切れません。だからこそ、今のその子の強みに目を向けたいところです。
成長スピードは人それぞれ ― 早熟と晩熟
同じ学年でも、生まれ月や成長の早さによって体格には大きな差が出ます。早く成長する子(早熟)は今の時点で体が大きく、力も強い傾向があります。一方、ゆっくり成長する子(晩熟)は、今は小柄でも、後から身長や体格が追いつき、追い越していくことも珍しくありません。つまり、今の体格差は「今この瞬間」のもので、固定されたものではないのです。
大切なのは、今の体格を理由に「向いていない」と決めつけないこと。成長のペースは一人ひとり違う、という前提で見守ることが、長い目で見て本人の伸びを支えます。体の成長には個人差があり、いつ、どれくらい伸びるかを正確に予測することはできません。
体が小さい子が伸ばせる武器
体格に頼らず伸ばせる要素は、実はたくさんあります。小柄な子にとっては、これらが大きな武器になります。
- 敏捷性・すばやさ:小回りが利き、方向転換や細かいステップで相手を外しやすい。低い重心を活かせる場面もあります。
- 技術(止める・蹴る・運ぶ):ボールを正確に扱う力は体格に関係なく磨けます。狭い場所での小さなタッチは小柄な子と相性が良い面も。
- 判断・認知:周りをよく見て、相手が来る前に次のプレーを選ぶ。当たられる前に動ければ、体の大きさは問題になりにくくなります。
- ポジショニング:相手のいない場所を見つけて動く、良い位置でボールを受ける。頭の使い方は体格を超える武器になります。
これらは日々の練習で育てられるものです。当たり負けを気にして体をぶつけ合う勝負ばかりを求めるより、「相手が来る前に、速く・正確に・賢く」を軸にすると、小柄さがむしろ持ち味になっていきます。
世界を見ても ― 体格だけが答えではない
プロの世界を見渡しても、決して大柄ではない選手が、技術と判断、すばやさを武器にトップレベルで活躍している例は数多くあります。もちろん、その道が誰にでも約束されているわけではありません。ただ、「体が小さいから無理」という思い込みだけは、子どもの可能性を狭めてしまいます。体格は数ある要素の一つにすぎない、と捉えておきたいところです。
比べすぎない ― 声かけで気をつけたいこと
いちばん気をつけたいのは、他の子との比較です。「あの子は大きいのに」「もっと当たりに行きなさい」といった言葉は、本人にとって「自分は劣っている」というメッセージになりがちです。体格は本人の努力ではどうにもならない部分が大きく、責められると自信を失いやすくなります。
かわりに、その子ならではの良さ——速い切り返し、良いパス、賢い動き——に気づいて言葉にしてあげましょう。比べる相手は「昨日のその子自身」で十分です。今できることを一つずつ増やしていけば、体の成長が追いついてきたとき、技術や判断という土台が大きく効いてきます。焦らず、その子のペースを信じて見守りたいところです。
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※本記事は一般的な情報を編集部がまとめたものです。成長には個人差があり、体の発育について心配があるときは、専門家や医療機関にご相談ください。