「練習も頑張っている。食事も気をつけている。でも、なんだか調子が上がらない」——そんなとき、見落とされがちなのが睡眠です。トレーニングや食事と同じくらい、いや、それらを支える土台として、睡眠はコンディションに深く関わります。この記事は、U-15を中心としたジュニア世代の睡眠について、厚生労働省の情報をふまえて一般的な考え方を整理したものです。

なぜ「寝ること」がプレーに効くのか
睡眠は、ただ体を休める時間ではありません。眠っている間に、体は日中の活動で受けたダメージを回復させ、覚えたことを整理・定着させていくと一般に考えられています。
サッカーに引きつけて言えば、睡眠は次のような場面に関わります。
- 体の回復:練習や試合で使った体が休まり、翌日のコンディションにつながる
- 集中力・判断:寝不足が続くと、注意力や判断のキレに影響しやすい
- 心の安定:睡眠が足りないと、イライラしやすくなったり気分が沈みやすくなったりすることがある
「伸びる選手はよく寝ている」とよく言われるのは、こうした回復と集中の土台があってこそ、日々の練習が積み上がるからです。派手なことではありませんが、続けるほど差になっていく部分です。
睡眠時間の目安 ― 一般的なガイドから
どれくらい寝ればいいかは個人差がありますが、公的な目安があります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、こどもの睡眠について、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。成長期である高校生までは、大人よりも長い睡眠時間を必要とすると示されています。
これはあくまで「参考の目安」であり、すべての子に一律に当てはめるものではありません。ただ、練習や塾で就寝が遅くなり、起床は学校に合わせて早い——という生活だと、目安を大きく下回りやすいのも事実です。まずは今、自分の子が何時間眠れているかを把握することが出発点になります。
寝つきと質を整える ― 就寝前のルーティン
睡眠は「時間」だけでなく「質」も大切です。就寝前の過ごし方で、寝つきや眠りの深さは変わりやすいと考えられています。無理なく整えやすいポイントを挙げます。
- 就寝前のスクリーンを控える:寝る直前までスマホ・ゲーム・動画を見ていると、頭がさえて寝つきにくくなることがあります。寝る前は画面から少し離れる時間をつくると整えやすくなります。
- 就寝・起床の時刻をなるべく一定に:休日に極端に夜ふかし・寝だめをすると、リズムが乱れやすくなります。平日と休日の差を大きくしすぎないのがコツです。
- 寝る前のカフェイン・激しい興奮を避ける:エナジードリンクやカフェインを含む飲み物は夜は控えめに。寝る直前の激しい運動や熱中しすぎる遊びも、寝つきに影響することがあります。
- 部屋を暗く静かに:眠りやすい環境(暗さ・静けさ・適切な室温)を整える。
いきなり全部を変えようとせず、「就寝前30分は画面をやめる」など、一つだけ習慣を足すところから始めると続けやすくなります。
保護者ができること
- 練習・塾・宿題のスケジュールを見直し、就寝時刻が遅くなりすぎていないか確認する
- 「早く寝なさい」と叱るより、家族全体で夜のリズムを整える
- 週末の極端な生活リズムの乱れに気をつける
- 「疲れが抜けない」「日中いつも眠そう」といった状態が続くなら、生活を見直す
睡眠は、努力の成果を体に定着させる時間でもあります。練習量を増やす前に、まず眠れているかを見直すことが、遠回りのようで近道になることは少なくありません。
※本記事は一般的な情報を編集部がまとめたものです。日中の強い眠気やいびき、寝ても疲れが取れないなど、睡眠に関する気になる症状が続く場合は、医療機関(小児科など)や専門家に相談してください。
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